- 胸のしこりを押すと痛い…
これって乳がん? - 胸のしこりができる場所はどこ?
- 胸のしこりは乳房の病気?
考えられる原因 - 胸のしこりのセルフチェック方法
- 良性と悪性の違い
- 胸のしこりの検査方法
- 胸のしこりは何科を受診する?
胸のしこりを押すと痛い…これって乳がん?
胸にできるしこりには、良性と悪性のものがあります。
ただ、手で触ってみても、どちらか見分けることはできません。
良性のしこりの中には乳腺症や線維腺腫によるものが多く見られ、悪性のしこりのほとんどは、乳がんとされています。
しこりが良性か悪性かを調べるには、超音波検査(エコー)やマンモグラフィ検査が必要になります。必要だと判断した場合は、針でしこりの一部を採取する検査を行うこともあります。これらの検査を通して、治療が要るか否かを調べていきます。
胸のしこりができる場所はどこ?
乳腺がある部分でしたら、胸のしこりはどこにでも起こり得ます。しかし、そのほとんどは、体の表面に近いところにできる傾向にあります。
乳がんが一番できやすいのは、胸の上部の外側です(真ん中にある乳頭を基準として)。このタイプの乳がんは全症例の50%とされていて、その次に上部の内側、下部の外側、下部の内側が多いと報告されています。
セルフチェックする際は、乳がんがよく見られる部位だけでなく、乳房全体をまんべんなく調べていきましょう。
胸のしこりは乳房の病気?考えられる原因
乳腺症
乳腺症の多くは良性で、乳がんとは直接関係がありません。しかし、症状が悪くなると、画像診断だけでは乳がんとの区別が難しくなる場合があります。悪性か良性かを区別するのが難しいと判断された場合は、適切な検査を受けて、がんの有無を確認します。
乳腺炎
乳房が浮腫んだり、皮膚が赤くなり痛む症状がおこります。炎症性乳がんや、うっ滞性乳腺炎、産後に起こる急性化膿性乳腺の症状とも似ているので、問診などを通して正確な鑑別を行う必要があります。
線維腺腫
画像検査を行っても、葉状腫瘍との鑑別が難しくなる可能性もある疾患です。しかし、急に大きくなった場合は、手術で摘出することも検討します。葉状腫瘍や乳がん患者により、低年齢の女性によく起こります。
葉状腫瘍
全乳房腫瘍の1%未満と非常に稀ですが、腫瘍の約1/4が悪性とされている疾患です。針生検を行っても、良性か悪性か、そして線維腺腫と完全に見分けるのは難しいとされています。急に大きくなった場合は手術で摘出することもあります。
乳管内乳頭腫
乳管の内側にできる良性の腫瘍です。乳頭から分泌液が出るのを特徴とします。特に、血液の混じった分泌液が出る場合は、この乳管内乳頭腫である原因が一番多いですが、乳がんを否定しておく必要があります。
胸のしこりの
セルフチェック方法
乳がんは自己触診を通して、早期に見つけることができる可能性があります。これは、他のがんとは大きく異なる点です。自己触診は月に1~2回、生理が終わってから5日以内に行うのをお勧めします。
自己触診の方法は以下の通りです。
- 鏡の前に立ち、両腕を下ろして、乳房と乳頭の形や大きさ、色、質感に変化がないか見ます。
- 次に両腕を上げて、乳房に凹みやひきつれ、皮膚の変化がないかを色々な角度からチェックします。
- 乳頭に湿疹やただれ、分泌物が出ていないかをチェックします。
- ベッドに仰向けになり、指の腹で両方の乳房や脇を軽く押して、しこりがないかをチェックします。
- 最後に、左右の乳頭を優しくつまんで、膿や血液などの分泌物が出ていないか確かめます。
良性と悪性の違い
しこりが良性か悪性かどうかは、自己触診でも分かりません。
年齢が低いほど良性のしこりが多い傾向にありますが、40代~50代になると、乳がんのリスクが高くなります。しこりが見つかった際は、早めに医師に診てもらうことが大切です。
胸のしこりの検査方法
乳房のしこりを触ってみるだけでは、正確な判断ができませんので、マンモグラフィや超音波検査(エコー)を受けられることをお勧めします。
マンモグラフィ検査
マンモグラフィ検査とは、乳房にX線を当てて画像を撮る検査です。乳房を板で挟んで平らにした状態で撮影することにより、乳房の中のしこりと正常な乳腺の差がはっきりと分かるようになります。さらに、放射線の被ばく量も少ないため、安心して受けていただけます。超音波検査(エコー)では発見しにくい、細かい石灰化を見つけることが可能です。乳がん=石灰化ではありませんが、実際に乳がんのうちに石灰化が認められる場合もあり、マンモグラフィ検査は石灰化の発見に役立ちます。
超音波検査(エコー)
超音波検査(エコー)とは、乳房に超音波を当てて乳房の中を映し出す検査です。乳房のしこりのサイズや正常かどうかを調べるために行います。検査の時は、上半身を裸になり横になります。当院では、女性の医師や技師が検査を担当していきますので、安心してご相談ください。
胸のしこりは
何科を受診する?
自己触診を行ってしこりが見つかった場合は、乳腺の専門医に診てもらうことが大切です。当院へご相談ください。